先日お邪魔した大阪、中津のHOOD CAFE。Meets Regionalで特集されていた「コーヒーサードウェブ特集」で存在を知って、凄く気になっていた店でした。大阪の地理に疎いため、住所を調べてもピンときませんでしたが、実際行ってみると難波(大阪)駅から御堂筋線で1駅とアクセスも◎。最寄りの中津駅からも徒歩2、3分ほどで着くことができました。
まず、店内に入ってビックリしたのは、店の奥にあるサウンドシステム。その奥には窓もあるそうなんですが、奥が見えないくらいに積まれた重厚なスピーカーとラジカセ。スタッフの方の話によると店主の吉村さんは以前レゲエのイベントなどをされていたそうで、音楽関係のお客さんも多いそうです。
僕も去年西海岸を旅行していた時にいわゆる3rd Coffee Waveに関連するようなコーヒーショップも行きましたが、HOOD CAFEにも現地のような空気感を感じました。単なる流行ではなく、ローカルに根付いて文化を発信している匂い。それでいて、違う土地からの来訪者にもウェルカムな姿勢は見習うべきところでしょう。
また、アメリカを旅行して意外だったのは、日本では比較的オシャレでポジティブなイメージのスターバックスが現地では漫画喫茶的な使われ方をしていたことです。基本的にアメリカのスタバはフリーwi-fiなので、お客さんの9割以上がラップトップを持参してPC作業をしている異様な光景に遭遇する場合も多々。そこにはコーヒーや会話を楽しむ要素を見いだせませんでした。
反対に、僕が現地でもっとも気に入ったSFのコーヒーショップ Four Barrel Coffeeでは、店内でコーヒーや会話をより楽しんでもらうために、一般的なアメリカのカフェではフリーになっているwi-fiをあえてクローズにしているそうです。実際、その狙い通り店員さんとお客さん、お客さん同士が会話を楽しんでいる様子でした。確信犯的にやっているのかどうかはわかりませんが、店内のBGMをレコードでかけていて、曲が止まるとイチイチ盤をひっくり返したり、新しいレコードをかけたりする光景から優しい気持ちになれました。
店内でラップトップを使う人はほとんど見当たらず、皆会話を楽しんでいた |
店員さんとのやり取りもショップでの楽しみ |
店内のBGMはレコード |
僕が思うに3rd Coffee Waveとは、単にコーヒーのクオリティやオーガニックな要素の追求だけでなく、wi-fiスポットと化したコーヒーチェーンへのカウンターカルチャーなのかもしれません。そうした空気感が海外に行かずとも大阪でも楽しめますので、興味がある方は是非お立ち寄りください。
以下 HOOD CAFE HPより
INTRO(BACK GROUND)
どこから書き出せばいいものか……
もともと旅行は好きなほうでして、1991年にはじめてニューヨークに行きました。
それからほぼ毎年東海岸を訪れているうちに、ニューヨークの音楽とストリート文化に魅せられて 1994年より並行輸入の服飾雑貨店をスタート。
商品はすべてニューヨーク(おもにブルックリン、クイーンズ、ハーレムなど)で希少なものを見つけ出しては日本に持ち帰り、売るという仕事です。
カフェをやろうと思ったきっかけですが、大阪にあまりあちらのリアルなスタイルをとりいれている 場 がなかったというのがひとつ。
同時にニューヨークのカフェ文化がここ数年で様変わりしてきているように感じたからです。
あたらしい波 3rd WAVE
買い付けの合間にちょっと休憩するのに便利なのが、デリにイートインがついた簡単なカフェ。ぼくの90年代の息抜きの定番でした。
そう、その頃のN.Y.のコーヒーといえばベンダーのやっすいカップ(ドーナツとあわせて1ドルちょい)がメインの(イマイチな)シロモノでした。
ばらくすると時代は瞬く間にスタバのエスプレッソブームに突入。
もちろんN.Y.のストリートでも加速し、コーヒーはスタイリッシュなモノになっていきました。
そしてこの数年アメリカのコーヒー事情は、さらなる進化をしてるように見受けられ、より細やかなサービス(趣向)に移行している時期にきているとおもいます。
あきらかにコーヒーの質、味が求められてきています。
そのひとつが コーヒーバー 。
ここではダイレクトトレードで直接買い付けた豆を、自ら焙煎し、DRIPして一杯ずつサーブする(アメリカらしからぬ?)スタイルなのですが、これが行列をつくるほどの人気なのです。
とはいってもニューヨークは今からといった感じで、こと食のカルチャーに関してはオレゴン、サンフランシスコなど西海岸からの流行が徐々に東海岸に来ている段階。
なので、今後この種のコーヒームーブメントはニューヨークでカタチを変えてまだまだ増えていきそうな予感…
で、僕なりに考えた結果、まったく同じとはいきませんが、愛すべきすばらしい日本のコーヒー文化と僕が見てきた現在進行形のUSストリートカルチャーをミックスして、ナイスな空間を作っていけたらと思い、開店に至りました。
現地のライフスタイルをはじめ、ブルックリンの街の変貌、音楽などさまざまな文化が様変わりしていく様子を、この20年見てきました。
SLOWなコーヒーを通じて、なにか生きるヒントが見つかるような、そんな気がしています。
そしてニューヨークのように常にエネルギッシュで、いけば元気になるようなお店にしていこうと思っています。
みなさんのお気に入りのお店になれるようがんばります。