もうひとつの報道は、海外ニュースの小さな記事ですが「なぜ、日本の大手新聞が一面で日本国際の暴落シミュレーションを報じるのか?」についてです。2月2日付けの朝日新聞一面に、「三菱東京UFJ銀行の国債暴落シミュレーション」について記事が出ています。これは、「ゴシップ」に近い記事で、なぜ日本の報道機関は緊迫する中東問題も、冷温停止と言った後に再び温度が上昇している原発記事もあまり取り上げないのに、このような記事を一面で取り上げるのか、について書かれていました。これは、その国を代表する新聞が、一面に取り上げるような内容ではありません。ニューヨーク・タイムズが「シティバンクがアメリカ国家破綻のシミュレーションをした」ことを一面に載せる事はありません。なぜなら、ゴシップだからです。
まず、国債が暴落する可能性はいつきてもおかしくないことは常識で、なぜ、いまこの時期に一面で取り上げる必要があるのか、です。そして、世界中そうですが、報道機関が自社で独自取材をしてシミュレーションを作るのが一般的で(それが仕事です)、他社のシミュレーションは所詮他社のもので、報道価値としては低く意図を持った「リーク記事」や「ゴシップ」扱いが一般的です。それをあえて一面で報道するには、なにかの意図が必ずあります。
すなわち、これは財務省の現在視察中のIMFにむけたプレゼンテーションと増税のための仕掛けだと思われます。茶番です。恐らく、財務省が三菱東京UFJ銀行にシミュレーションを作らせ、意図的にこの国債暴落シミュレーションを朝日新聞に流した可能性が高いと思います。三面記事ならともかく、なぜ一面に掲載して「危機を煽る」と新聞読者が騒がないのも不思議ですが、どちらにしろ、作為的であることは否めません。日本のマスコミに踊らされてはいけません。そして、このあと起きる事は、IMFが「日本には増税が必要だ」と公表するでしょう。なぜなら、IMFが他国の借金調査に視察団を送る事は異例中の異例で、それを公表するのも異例です。さらに、現在のIMFの副専務理事は財務省出身の日本人官僚です。IMF、マスコミ、金融機関、政治家と、すべて官僚によるシナリオの通り進んでいるのです。
世界が大きく揺れ動くと思われる、この先数年は、誰かがシナリオを書いた情報を元にした報道のガラパゴス化に、本当に注意し、個々が判断をしっかりする必要があると思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃『Future Report』
Vol.034
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【2012年2月10日発行】
より引用。踊らされるべからず