July 27, 2011

コパアメリカ考察

少し時間がたってしまいましたが、改めてコパアメリカを振り返ってみます。

開催国のアルゼンチン、ブラジルが力を発揮しきれないまま早々に敗退。チリはベスト8で散ったものの相変わらず質の高い攻撃サッカーを展開。南米で唯一ワールドカップに出場した事がないベネズエラがベスト4に躍進。そして、優勝したのはウルグアイという結果でした。

この結果を予想できた方はほとんどいなかったと思いますが、振り返ると必然だったのかもしれません。
特にアルゼンチンの負けは必然だった。

勝てなかった原因は、やはりメッシを生かしきれなかった事につきます。バティスタ監督はメッシを生かすために、バルセロナと全く同じシステムを採用(メッシをにせ9番とし、FWをワイドに置いた)したものの、結果的にシステムがメッシを苦しめてしまっていました。いくら同じシステムを採用しても、そこにハマる選手は全く違う訳で、シャビもイニエスタもいない「にせバルサ」はほとんど機能しなかった。シャビやイニエスタの役割を求められたカンビアッソ、バネガもバルサを意識したのか窮屈そうにプレーしていました。本来違う性質を持った選手にそれ以上の事を求めても、それに応える事は難しい。まして、練習時間がとれない代表チームではなおさら難しい。

中盤でビルドアップできなかったため、メッシは中盤までポジションを下げ、組み立てに加わる事で状況を打開しようとしました。ただ、ポジションを下げたため、仕掛ける位置も下がり、無理なドリブル突破が増え、負担も増えてしまった。バルセロナではボールがアタッキングサードまで運ばれるのを待って、高い位置で勝負に専念すれば良かった状況からするとメッシもかなりストレスを感じていたでしょう。バルセロナ以外のチームにそれを求めるのも酷な話かもしれませんが...


予選リーグ3戦目からはシステムを4-2-3-1に変更し、メッシの前にトップとワイドにウイングを置いた事で、多少そうした状況は緩和されましたが、システムに馴染むには時間がかかり、決勝トーナメントでは堅守を誇るウルグアイに抑えられてしまった。個人的には今大会をほとんどベンチで過ごしたパストーレを起用し、ボールを運ばせる事で、メッシもフィニッシュに専念できたのではと思います(少ない出場時間の中でパストーレはメッシと感覚を共有できていた事が余計に惜しい)。観客から最も声援を受けていたテベスも慣れない左サイドで孤立。アグエロも同様に上手くいっていなかったので、監督辞任は当然の結果でしょう。DFラインもバルサではほとんど試合に出ていないミリート、メガクラブでは準レギュラークラスのブルディッソのコンビは1対1で競り負ける場面も多く、それをカバーしていたサネッティのみが国際レベルの水準を満たしていたと思います。とは言えサネッティも流石に高齢なので、DFラインの人材難は深刻です。監督が変わっても、人材難はどうしようもないので、ベテランを起用しながら騙し騙しやるしかないでしょう。

また、攻撃についても、未だにスタイルを確率できていないのは深刻です。2人で崩しきっていたスアレス-フォルランのコンビの様に、メッシ、アグエロ、テベス、イグアイン、ラベッシの融合が待たれます。


コパアメリカ全体を観て思った事ですが、代表レベルで守備を整える事は比較的容易で攻撃を整備する事は非常に難しい。スペイン代表はベースをバルサ、レアルの選手で固めているので、コンビネーションはある程度計算できても、アルゼンチンはメッシが凄すぎるために合わせられる選手も限られ、融合できていないのではと思います。いくらメッシと言えど、整備された守備を一人で崩す事は難しい。逆にウルグアイの様に攻撃ユニットが機能したチームは強い。ブラジルも期待されたネイマール、ガンソはパッとせず(特にガンソは怪我明けのためか、かなりの時間消えていた)、ロビーニョ、パトもコンビネーションはイマイチで、崩しきれない場面が目立ちました。アルゼンチンと比べて、守備が例年に比べて確実に計算できる事は強みですが、全盛時のロナウジーニョやカカのインパクトからすると攻撃はやや小粒感が否めませんでした。ネイマールよりもバルサに加入するサンチェス、スアレスの方が現時点では力は上でしょう。サンチェスのドリブルもバルサのスタイルに馴染めば、更に面白くなる予感がありました。


また、もしこの大会に日本が出場していたら?と考えると意外にいいところまでいっていたかもしれません。遠藤、長谷部、本田のコンビネーションなら、今回のブラジル相手なら問題なかったでしょう。ヨーロッパのシーズン的にはオフなため、特にメガクラブの選手はそこまでモチベーションが無かった事を差し引いても、日本のユニットとしてのクオリティは十分通用すると思います。

などとつらつら書いてみましたが、やはりサッカーは面白い。観るだけでなく、プレーも楽しみたいですね
あと、今回のナンバー必読です



追伸
最近、自分の文章力の無さに愕然としていたので、とにかく練習する事にしました。ヘタクソなら量を書くしかない。って事でこのブログも更新頻度を上げていこうと思います。

The Author

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